2024年6月現在、円安・物価高等の影響により自動車価格は高止まり状況が続いています。
しかし、その状況も大きく変化が訪れようとしています。
自動車価格はなぜ高騰しているのか?
2024年は、自動車価格を形成する要因について大きく変動する可能性がありますが、2024年6月現在では自動車価格はまだ高止まりしている状況です。
現在、自動車価格が高騰している要因には以下のようなものがあります。
円安
2024年6月現在の為替相場は、1ドル157円前後まで円安が進んでいます。円安(ドル高、ユーロ高)になると、ドル建ての米国車・ユーロ建ての欧州車等輸入車の価格は上昇します。
日本車については、価格は変わらないと思いがちですが、実は日本車の価格も上昇します。海外のバイヤーから見た場合、円安の状況は日本車が格安であることを意味します。すると当然、海外から日本車の買い付けが活発化するので、日本車が高騰することになるのです。
物価高
物価高の最大要因は、ロシアのウクライナ侵攻によるものです。ロシアが生産する原油の流通が滞っていることから原油価格が高騰し、あらゆる物価が上昇しているのです。
自動車価格も例外ではなく上昇しており、部品調達価格高騰により自動車の生産コストは上がり続けているわけです。
半導体不足
2020年秋以降、自動車の生産に最も大きな影響を与えているのが、半導体不足です。半導体不足の大きな要因が米国・中国の経済摩擦にあることから、長期化が懸念されるところです。
2023年に入り、全体でいえば半導体不足は解消されているのですが、IT業界と自動車業界では状況が全く異なるようです。スマートフォン等のIT業界の半導体不足はほぼ解消されているのですが、自動車業界への供給は後回しにされており、依然として自動車業界の半導体不足は続いている状況です。
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それには、以下のような要因があります。
2024年は緩やかな円高へ
円安の最大の要因は、米国の長期金利上昇にあります。米国の政策金利が2024年5月現在5.5%前後まで上昇している中、日本はマイナス金利政策を維持しており、日米の金利差が円安の要因となっているのは明らかです。
市場では政策金利が2023年9月に5.4%でピークに達した後、米国のFRB(連邦準備制度理事会)は6会合連続で利上げを見送りました。すでに政策金利はピークアウトしたと言われており、2024年は3回の利下げが想定されています。一方で、日本銀行は2024年3月の金融政策決定会合で、マイナス金利政策の解除を決めました。今後は、日米の金利差が縮小する公算が高いです。
日米の金利差が縮小すれば円高へ向かうこととなりますが、金利差は徐々に縮小することが見込まれるため、為替相場についても緩やかに円高に向かうものと考えられます。自動車価格についても2024年以降、緩やかに下落傾向に向かうことになるでしょう。
2023年末頃には物価上昇は鈍化
政策金利上昇等の影響により欧米が景気後退することが見込まれており、エネルギー価格含む輸入物価は前年比マイナスで推移する可能性が高いです。
これらの要因により、コアCPI(消費者物価指数)上昇率は徐々に鈍化していくと考えられます。コアCPI前年比は2023年1月に+4.2~4.3%まで上昇した後にピークアウトし、2024年2月には2%の上昇となりましたが、上昇率は3ヶ月連続で低下しておりインフレの鈍化傾向が見られます。
つまり、2023年末頃からは自動車価格も下落傾向の可能性が高いです。
2023年~2024年には半導体不足解消へ
2023年中には遅れていた自動車業界の半導体不足も解消に向かいそうです。
具体的には、2023年中には従来技術による自動車の半導体不足が解消に向かい、電気自動車等の先端技術を用いた半導体は2024年以降になってからの回復になりそうです。
半導体不足が解消され自動車生産が正常化に向かえば、自動車価格も下落傾向に向かうことになります。
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まとめ
現在の自動車価格高騰は、円安・物価高・半導体不足の問題が一度に起きている状況であり、かなり珍しい状況であるといえます。
しかし、その状況も改善されることが見込まれており、今後は自動車価格の下落が予想されるので、車を売るなら早く売ったほうが良さそうです。
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